簡単だけど、割と劇的に写真の雰囲気を変えたい!
楽がしたい!
楽に写真を好みの色と風合いに仕上げたい!
だけど、誰かが配布してるプリセットやフィルターじゃなくて自分の個性も出してみたい!(←ここ大事)
身も蓋もないこと、ぶっちゃけちゃいましょうよ。いいんですよ。
誰だって、できることならどや顔で、
「レタッチで自分好みの色味が出せました!」
って言いながらSNSやブログに自慢の写真を載せたいよね!? 僕は載せたい。
だけど……
「あ、VS●Oのフィルターいいですよね~。私も使ってます♪」
「これ、写真家のナントカさんが配布してるプリセットですよね?」
なんてリプやらコメントは欲しくない! 欲しいのは…
「え? この色めっちゃ好きです」
「このレタッチいいなぁ。どうやってんだろう?」
とか、そういうコメントですよね!?
そう……みんなが使ってるようなフィルターじゃなく…あくまでも自分だけの…オリジナルのレタッチでちやほやされたいんじゃあ!
そうじゃなかったら、なんのために毎月安くないAdobe税を払ってLightroom契約してるかわかんないじゃないですか。
しかし!
面倒くさいのも嫌じゃ!
こちとら、明日も仕事(学校・育児…なんでもいいよ! みんな、お疲れ様!)で忙しいんよ。
何十枚も撮ってきたスナップを、1枚1枚追い込んでレタッチなんかしてる暇無いんよ。
1分! 1枚1分以内で終わらせたい! …だけど、ちやほやもされたい!(←ここ大事)
そんな貴方の……いや、ゴメン。嘘ついた。
そんな「僕」のための【ずぼらレタッチ術】を公開してみたいと思います。
下準備
【1枚1分でレタッチを終わらせる】のがこの記事の目的ですが……その下準備だけは、ちょっとがんばってください。
日曜日に30分! 30分だけ準備の時間をください。あとはもう、本当に1分以内でケリ付けるようにしますので!
用意するもの
- レタッチしたい写真(今回はRAWを使うよ)
- Adobe LightroomClassic(僕がこれしか持ってないからだよ)
1.あらかじめトーンカーブで色のコントラストを作っておく
まずは、こんな風にトーンカーブであらかじめ全体的なコントラストをつけます。
僕はRGBの各チャンネルごとに少しずつ調整した結果こんな感じになってますが、全体的に均一でOKなら、一番左のポイントカーブだけでお好みのコントラストにしてしまってもいいんじゃないでしょうか。
僕はクソ初心者なんで、ネットで聞きかじった「S字カーブが基本だよ」という情報をそのまま信じているよ。
…いいんだよ、好みの感じになればなんだって。
でも、ここで5分…10分がんばると、「自分だけの…」度が増すぞ! …きっと。
2.カラーグレーディング機能でお好みの色合いに!
今回の一番のキモというか……ほとんどすべてなのが、これ!
Lightroomの「カラーグレーディング機能」で、自分らしい素敵な色を作っちゃいましょう!
「…え? 結局、そういう話なん? でも私、シキソーカンだとかホショクとか言われてもわかんないし…」
そう思ったアナタ! 大丈夫! 僕もさっぱりわかんない!
僕、かみさんが仕事でイラストレーターやってるのでちょっと聞いてみたことあるんですが、ええもう見事にちんぷんかんぷんでしたね。
だもんで、デジタルカメラマガジンの
この特集、「もうレタッチはいらない!? 個性はカラグレで決める!」という惹句に見事に釣られて買ったけど、なんか薄ぼんやりで…
「ああそう……。これ理解できる人はいいですね、おセンスがおよろしくて……」
ぐらいの感想しか出ませんでした。(impress編集部や作例を提供されたフォトグラファーの皆さん本当にすみません…頭悪くて…)
でも大丈夫。大丈夫なんです!
なぜなら……
世の中には、こんな便利なWebサイトがあるから!
このWebサイト、ざっくり言うと、
「セオリーに則った色のまとまりを一瞬で教えてくれる」
というものです。タダで。タダ最高。
3.早速使ってみよう
上記のサイトを開くと、まず出てくるのはこんな画面。
左側のサークル、赤いところに●が1個ありますね。
これは、
「全体を赤一色でまとめたいときは、右の■に表示されているような色で構成すると、まとまりがいいとされるものになりますよー」
ということを表しています……多分!
今回使うLightroomのカラーグレーディング機能は、シャドウ・中間・ハイライトの3つに対してお好みの色味を加えて調整する機能なので……
左のカラフルなサークルの上、小さいサークルが5つ並んでいる場所の真ん中、「ほどよく三分割するとどうなるのか」ボタンを押してみます。
すると、薄い青・赤・黄緑を基本にまとめると「世間一般的には整っているとされる」色の配置になるということがわかります。
そこからさらに自分好みの配置を探していきましょう。
僕は、「シャドウにちょっと深いブルーが乗っている」写真が好きです。
たとえば東京の町並みを写したスナップなんかで、コンクリートの暗いところが青みがかっていてシブく締まったヤツとかたまりません。
なので、左下のポッチ「PrimaryColor」とあるやつをマウスでドラッグして、深い青のところに持っていきました。
するとどうでしょう、自動的に残り2つのポッチが動いて、
「この青をメインにするんやったら、ほんのりマゼンダの入った赤と、黄色をお供につけてやったらうまいこと整うんやで」
ということを教えてくれるではありませんか!
4.カラーグレーディング機能に当てはめてみよう
はい、また出てきたこの画像。
シャドウに「深い青」、中間に「黄色」、ハイライトに「マゼンダ寄りの赤」 にそれぞれ色を加えるように設定してみました。
実際にどのくらいの彩度や輝度にするかは人それぞれですが、なんでもやり過ぎは良くないと思うので、僕はだいたい微調整を加えながら彩度5~20の間にするようにしています。
あとは、輝度もちょっと下げてます。なんとなくそのほうが、僕が好きっぽい濃い青になるかと思ったからです。適当です。
何度も言うけど、いいのよ適当で。自分の好みにさえなればなんだって。
というわけで、この辺は……実際にやってみてお好みのところを探ってください。
はい、ここまでで下準備20分。
もうすぐです!
5.トーンカーブとカラーグレーディングの部分だけをプリセット化しておく。
で、実際の写真に当てて確認しながら、1.で作っておいたトーンカーブと、3.と4.で作った(自分的に)ちょうどいいカラーグレーディングをプリセットとして登録しておきます。
露出とかの基本補正や、他の部分はコピーせずに、トーンカーブとカラグレだけにしておきましょう。
うっかり他も調整した状態でプリセット化してしまうと、どの写真に対しても均一の結果を得られないので。
他の部分は最後にちょっと調整しますよ。
僕はさっきのサイトを参考にして4つの基本パターンを作ってみました。
ちょっと小さくて読みづらいですが、
01.basic_tgo
を見てください。これは、シャドウにティール(薄い青?)、中間にグリーン、ハイライトにオレンジを当てた基本パターン…ということでtgoです。
ちょっと前に流行った映画っぽい「ティールオレンジ」の緑添えといったところでしょうか。
02.basic_byr
なら、シャドウは青、中間が黄色、ハイライトが赤…サンプルで出したパターンですね。ちなみに、やっぱり僕はこの2番を使うことが一番多いです。
さあ、プリセットにできましたか?
ここまでで30分。お疲れ様でした。下準備は完了です!
1分レタッチやってみよう!
はいこちら、最初はRAWをそのままストレートにJPG化した画像です。
使用した機材は、
- Nikon Df
- Cosina Voigtlander Ultron 40mmF2
です。
余談ですが、Ultronはすっごい使いやすくていいぞー。
40mmっていう焦点距離はスナップに最適だと思いますわ。
カニ爪付きのクラシカルな外見でDfにもピッタリ。それでいて、写りは現代的というのが素晴らしい。
おっと、脱線……
えー、カメラプロファイルはNikonのニュートラルに合わせてあります。
さあ、ここにさっき作ったプリセットをポンと合わせてやると……
はい変わったー!
最初は、「01.basic_tgo」を当ててみました。
シャドウは青みがかり、左上の空は程よく色が抜け、全体的に薄く緑が乗っているのがわかります。
ちょっとノスタルジックでフィルムライクな写真になりました。
続いて、僕が一番好きな「02.basic_byr」の作例。
シャドウに青が入ることでコントラスト強く、締まった印象になりました。
右下のメニュー黒板のこの感じ……こういうのが好きなんですよ!
どんどんいってみましょう。
これは「03.basic_yob」の例。
シャドウが黄色で中間がオレンジなので、全体的に暖色寄りになりますね。
この時はちょうど夕方になりかけていた時刻だったんですが、壁に当たる夕陽の感じが強調されていると思います。
ストレート現像と比べてどうでしょう?
かなり劇的に変化してますよね。
下準備だけちょこっとがんばってもらえれば、複数パターン作っておいたカラーグレーディングのプリセットを、写真の雰囲気に合わせて当てるだけ。
どれがいいかな~? と楽しく選ぶのに30秒。
決めたらクリックで1秒。
最後に、ちょこっとお好みで露出やコントラスト、シャドウとハイライトの値をマウスでくるくるして25秒。
「いいねー」
と画面の前で4秒にんまりして……はい、1分!!
どこでダウンロードしたのでも、誰から買ったのでもない、(まぁちょっと智恵と技術はお借りしつつ)自分だけで作った素敵な色味の写真ができました!
もうちょっとがんばってみる?
「…今日は仕事も早く終わったし…1枚に2分ぐらいかけてもいいかな?」
そんな日だってありますよね。
まずは1分で「02.basic_byr」を当てて…と。
ふう、もう1分使って計2分で、これまた僕の大好きな「ブリーチバイパス」な写真になりました。
窓の中が真っ黒になって、窓枠や壁の白っぽく抜けた部分との差が際立ちます。
実際、これが写真として良いのかどうかは……わかりません!
多分、詳しい人から見たら「なにこれアホなん?」と思われるんじゃないかな。
ちやほやはされたい……マジで……でも、最終的にはやっぱり自分が好きかどうかが一番大事ですよね。
…とか、良い感じでまとめたいけど、やっぱりちやほやされたいので、みんなTwitterとかインスタとかで「いいね」押してね!
色々当ててみよう
せっかくなんで、コロナ騒ぎが起こる前に東京で撮影した過去写真に当ててみて、更に変化を体感してみましょう。
ストレート現像 → ずぼらレタッチの順です。
作例1 日比谷のビル
作例2 丸の内KITTE内
作例3 丸の内KITTE 本を読むおじさま
作例4 浅草・浅草寺のリフレクション
作例5 有楽町・東京国際フォーラム
作例6 軽井沢・軽井沢書店
…どうでしょうか?
全部1分以内現像ですよ。そりゃそうだ、当ててるだけだもの。
でも…なんか楽しくなってきませんか?
作例6の書店については、FUJIFILM X-T30とフィルムシミュレーション「クラシッククローム」の撮って出しJPGに「02.basic_byr」を当てたものです。
クラシッククロームにbyr使うと…え? これちょっと、X-T30には搭載されてない「クラシックネガ」っぽくありません? 良くない?
最後に
今回の記事は、「正しい」かどうかで判定すると相当に「正しくない」部類のものであることは、改めて断っておきたく思います。
そらね、ちゃんと色のこと勉強してしっかり理解したほうがいいに決まってます。
でも、僕みたいなずぼらな……ああいや、趣味に割ける時間が限られている方々でも、簡単にオリジナルのレタッチをして、写真がもっと楽しくなる方法のひとつとして、
「まぁこんなやり方もあるっちゃありますけどねー」
ぐらいの感じでご紹介しました。
「自分だけのレタッチ」という甘美な響きに憧れるけど、踏み出せないという方がいたら、この記事が最初の一歩目になってくれれば嬉しいです。
ではでは、みなさん今日も楽しい写真ライフを!
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