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【フィルム】Super Ikonta 531で朝散歩

Super Ikonta 531について

あんまり引っ張っても仕方ないのでサクサク更新。前回はこちら。

take9-htn.hateblo.jp

うっとりするような外観については↑を見ていただくとして、スペックについてまずはざっくり。

  • レンズ Novar Anastigmat 7.5cm F3.5
  • シャッター 1秒〜1/300秒 B、Tは無し
  • フィルムサイズ 120フィルム / 6×4.5(いわゆるセミ判)
  • ファインダー フレーム用&ドレーカイル式距離計連動ファインダー

こんなところ。

Novar Anastigmatっていうレンズは初めて聞いた名前。早田カメラ店の説明によると、3群3枚のいわゆる3枚玉・トリプレットと呼ばれるもので、有名な3群4枚のTessarと比較して貼り合わせの1枚分少ない。

シャープさで言うとTessarのほうが勝るらしいんだけど、3枚玉にもいいところはあって、貼り合わせ用の接着剤(バルサム)がいらないので、バルサム劣化によるレンズの黄変やクモリが起きないとのこと。

黄変しないということは、カラーフィルムを装填した時に色がおかしくならないということになるので、実はカラーで撮るにはトリプレットのほうがいい…と早田のお父さんは仰ってた。

けど、すぐに現像して結果を確認したい欲が抑えきれずにまずはモノクロで(笑

FUJIFILM ACROS100

では、早速現像した写真をば。最初の1本目は素直にISO100のACROSを。

Novar、何も問題なくビシッと写る。

セミでも中判は中判。精細。階調もとても滑らか。2枚目とか里山の濃淡がすごくいい感じだと思う。

ちょっとボケを作れないかと、コスモスを最短付近で合わせてみた。

とろけるような美しいボケ…みたいなことには、まぁならない(笑

絞り操作をする部分を見ると、F11のところに「基本はここ!」と言わんばかりに赤い印がついていることから、この時代のカメラは隅々まできちんと写って記録として残せることが一番大事なことだったんだなとわかる。

アーティスティックな表現より、まずは後世に「今」を残すこと。写真が担っていた役割に思いを馳せてみたり…なんてー。

とは言え、今は2022年なので、正しい記録は他に任せて開けたり絞ったり好きに使っちゃう。

使い心地はどうかと言うと、妹分のContessa35と比べると…だいぶめんどくさい、正直(笑

距離あわせのファインダーはとても小さく、早田さんできっちり整備されてるから二重像も見えるけど…そうじゃない機械だと役に立たないかも。

あと、シャッターが左側にあるのに慣れるまで大変だった…。ハーフカメラと一緒で普通に構えると縦構図になる(そもそも645ってのは、6×9…本来の中判120フィルムの"ハーフ"として生まれたわけで)。横で撮る場合カメラを回転させるわけだけど、レンズボードに左手の人差し指を添えて固定しつつ、左の親指でシャッターを切るということに。数枚はほんと、どうしていいのやらという感じだった。

もっかいボケに挑戦。開放1/50。ピントは手前の電球のつもり。

レンズシャッターなのでバルナック以上に手ぶれには強いはずだけど、いかんせん体勢が…。これで1/10…せめて1/25を切れるようにするには…自分を鍛えるしかない。

ようやく使い方に少し慣れてきたかな…と思ったところに問題発生。

ややや! もの凄いカブってる!!

裏紙の枚数表示が写り込んでしまうというのは初の経験。

Contessa35の時も最初のほうはかぶっったり、撮れてなかったり、コマ間変だったりで大変だったことを思い出して冷や汗をかく。

実際、このあとの数枚もカブっちゃって泣く泣く没に。1ショット100円(ざっくり)やぞ? 泣くわ。

結局、原因は枚数を確認するための「赤窓」と呼ばれる部分をちゃんとつまみで閉じずに使ってしまったのと、シャッターチャージのレバーをきっちり思い切りよく上げきっておらずにかかりがわるく、絞り羽根がちょっと開いてしまったことだった。

そう、Contessaの時も原因はそうだった…。今回はちゃんとやってたつもりが…。

誇り高きクラシックカメラは、使い手の怠惰を許さない…失礼いたしました、お嬢様…。

ILFORD HP5+

2本目に選んだのは、ILFORD HP5+。

ヨドバシでまとめ買い割引がおいしかったのと、KodakのTRI-Xの代用にちょうどいいというレビューをどこかで見て気になっていたので買ってみた。

ISOは400。なので、最速でも1/300秒(今で言うと1/250)しか切れないSuper Ikontaには正直向かない…。でも、今回は本来の使命に立ち返ってボケは捨てて絞りまくることで頑張ってみることに。

ACROSよりもだいぶハードな仕上がりになった。でも、好きだこれ。

明暗差の無い明るい場所で撮ると、また表情が変わる。実ってきた稲が優しいグレーに仕上がって…これもいい。

明暗差のあるところだと、また濃厚。これは東京出張で使いたいな。ACROSよりもざらっとした感じはストリートに合うはず!

前回鬼門になった10枚目がこちら。

うん、赤窓しっかり閉めてチャージもガチッと(もちろん壊れない程度に)キメれば大丈夫! …と、ここで安堵の息を漏らしたのであった。

2本目現像するまではドッキドキだったのは言うまでもない。

光の当たったハイライトもいいね。けっこう強い光線だったけど、飛ばない。

最後に1枚だけボケ挑戦(諦めが悪い)。

16枚撮りの11枚掲載だけど、残りは家族写真なのでご容赦を。何せ中判、解像が凄いんだわ。

でも、載せられないけどすごくいい仕上がりなんだよ〜。

たまに行く定食屋の暗い店内で、開放・1/25にチャレンジした娘ふたりの写真とか凄くいいので、今度プリントしよう。

…というわけで、Super Ikonta 531の1st&2ndロールでした。

今回のお供

階調豊かに柔らかく仕上がるACROS。

被写体や環境でガラッと顔つきが変わるHP5 PLUS。

どっちもとても良かった。

こっちは1ショット70円くらい? いや、あんまりみみっちいこと言うのも良くないな(笑

気に入ったので長巻買ってもいいかもなー。Contessa35でも使いたいし。

さあ、安心して使えるようになったので次はいよいよカラーだ!