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【PENTAX】#国産中判フィルム写真展 とTOMIOKA伝説 Vol.1

 

 

国産中判フィルム写真展に参加しました

 

去る5月31日〜6月3日まで開催されておりました『国産中判フィルム写真展』、無事に終了いたしました。

ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

 

take9-htn.hateblo.jp

 

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…さあ、この中のどの写真が展示に採用され、そして会場で販売された写真集『国産中判フィルム写真展 〜34Photogs × 34Cameras〜』に収録されたのでしょうか(笑

 

 

そう、写真集!

この展示に合わせて制作しました、めっちゃ気合い入ってる写真集が、通販を開始しております!

 

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さらに、

 

 

横浜駅構内にあります『カメラはスズキ』さん、

 

 

日暮里の三葉堂寫眞機店さんなど、一部のフィルムカメラを取り扱っているお店でもお求めいただけます!

はっきり言って、今日本でこれほど国産の中判フィルムカメラの作例が載っている冊子って他に無いんじゃないか? というレベルの品物になっておりますので、写真展お越しいただけなかった方はどうぞこの機会にこちらの写真集をお求めいただきまして、中判フィルムの世界にずぼっとはまっていただければと思います! 超宣伝!

 

Playback 2024.06.01

 

…と、宣伝もしたところで話を戻させてもらいまして。

写真展、僕は2日目から在廊させてもらいました。

午前中に家族の用事を済ませた後、全員を車に突っ込んで関越道を疾走。

妻の実家に家族を下ろし、

 

 

大荷物(ブロニカその他)にJ limited01をひっつかみ、そのまま夕方のJRに滑り込み。

のっけから激ハード!

 

 

 

お供に選んだレンズは、MFのMC FLEKTOGON 35mm / F2.4。

写真展の様子は、じっくりと楽しみながら撮りたかったので。

…が、その目論見はあと2時間ほどでいきなり潰えることにw

 

 

 

地下鉄に乗り換え、やってきましたよ江戸川橋駅

 

 

かあちゃんが描いてくれたポスターがお出迎え。

来たぜ、国産中判フィルム写真展!

早速、展示用にブロニカを並べたり、持参したポジフィルムをお客様に見える場所に広げたりしはじめた僕。

その背後に近づくアヤシイ人影が(すいません)。

 

きみはTOMIOKA伝説を知っているか?

 

「たけさん…お持ちしましたよ…」

 そう言って、男はレンズケースの中からおもむろに一本のレンズを取り出した。

 男は、そのレンズのリアキャップを手慣れた様子でくるくると回し、ややもったいをつけるようにゆっくりと外す。

「ご覧ください」

 

 

「……こ、これは!?」

「わかりますか? この後ろ玉。間違いなく職人の手でひとつひとつ加工されている。本物の大口径…F1.2を収めるための”仕事”ですよ」

 息を呑む、とはまさにこのことだろう。

 私は、目の前に現れたその歪な……だが、間違いなく美しい輝きを前に立ち尽くすしかなかった。

 燦然と輝く後ろ玉の周囲には、ネジ山が切られている。現代的なバヨネット・マウントではない。古式ゆかしいM42、スクリュー。

「まさか……。M42でこの大口径を……しかも、自動絞りのピンを避けて加工するなんて離れ業……AUTO YASHINON 55mm……」

「ええ……。でも、貴方にはこう言ったほうが良いでしょうね。そうです……TOMIOKAです。紛うことなき、本物の富岡光学ですよ」

 眼鏡の奥で、男は静かに目を細めた。

 

 

…というやり取りがあったかどうかは、記憶が定かではないですが、同じく写真展に参加されていた友人のテヅクリさんが、富岡伝説が大好きな僕のためにわざわざAUTO YASHINON DS-M 55mm F1.2 TOMIOKAを持ってきてくれたのでした。

わかります? レンズの銘板にしっかりと彫り込まれたTOMIOKAの文字。

 

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かつてCARL Zeissも認めた富岡光学の伝説については今更なので省きますが、実は意外と、

「間違いなく富岡光学製である」

と断言できるレンズは少ないのです。

先頃手に入れたRICOH519Dxに搭載されているものは、RICOHの公式サイトで「富岡製」と明言されていますが、その後RICOHが採用したXR RIKENONだとか、その他のレンズというのは大体、

「富岡光学製と思われる」

とか、

「富岡光学製と考えて良いだろう」

といった具合にどうもはっきりと断言できない物が多数あるのです。そんな中で、このYASHINONは銘板にTOMIOKAと刻まれていて、もう間違いなく富岡製なわけです。

 

 

この瞬間、僕の、

「国産中判フィルム写真展をFLEKTOGONでゆっくり、そしてきっちりシャープに写す」

という当初の予定は完全に崩壊w

…何この顔。

 

とろけるTOMIOKA

 

 

 

溶ける! 何もかもが溶けてアウトフォーカスの彼方へ去って行く!

 

 

 

 

 

記録写真の用をなしてません。わはは! なんだこれ!

……絞れ?

それが無理なんよ。

なぜなら、このAUTO YASHINONは名前の通りAUTO、つまり自動絞り専用。タクマーや持参したFLEKTOGONのようにマニュアル切り替えスイッチが付いてないのです。

なので、いかにM42母艦として正統なK-1 Mark IIであっても開放…F1.2でしか撮れない!

 

 

 

でもいいの! どうせはなから開放でしか撮る気起きないんだから!

 

 

 

 

ただし、ご覧のとおりなにひとつ記録には向かないw

ピント面は…もう「面」と言っていいのかというレベル。

でも…

 

 

 

 

いいよね…これ。

溶ける世界に身を投げ出す、愉悦。

 

 

 

 

 

とにかく、ありとあらゆる物をぼかしたくなるというか…ボケてしまうというか。

F1.2ってのはもう僕にとって完全に未体験ゾーンだったのもあって、大変。

 

 

 

中判フィルム写真展だっつってんのに、僕の初日は完全に中判そっちのけというね。

ごめんなさいね!!

みんなテヅクリさんのせいだから!!

 

 

 

初日(正確には2日目)の盛況ぶりに、心地よい疲労感とともに帰路につく参加者の面々。

時刻は午後10時を回っている。

 

 

明日は、僕も開場からずっと在廊の予定なのである。

だからすぐに義実家に帰って、できる限り体を休めなければならない……のだけど……

 

 

…なぜか気がつくと、僕は借りっぱなしのYASHINONを抱えたまま、JRへの乗り換え改札ではなく、深夜の池袋の街角にw

次回に続く!!

 

今回のお供

 

 

テヅクリさん曰く、

「やっと…フルサイズで…本物の画角でこいつの描写を試してもらえます!」

だそうです。

 

 

んでね、YASHINONつーたらだいたいこの辺なのよ、市場にあるのは。

本物の富岡かどうかは、わからないのよ。

いやー、今回は本当に貴重な体験させてもらってますね。

あと2回は続くね、これ。

…中判フィルム写真展はどうしたよw