
真・ズボラ現像を求めて
とにかく楽して自家現像をしたい。
温度だとか時間だとかの管理をしたくない。
薬品も適当にそこらにほっぽっといて大丈夫にしたい。
そんな思いからたどり着いたのが「静止現像」という方法で、それについては過去にブログでまとめました。
もうこれ以上、手を抜ける方法は無いだろうと思っていたんですが…最近、友人のテヅクリさんが更にズボラ現像道を極めた方法で現像しているのを知って、これはもう試すしかないと挑戦してみた記録。
その名も「冷蔵庫現像」というらしい!
本当にほっぽらかしでいい
テヅクリさんは「冷蔵庫現像」と命名しとりますが、気になって写真現像史(?)を遡ってみたところ、正確には「低温静止現像」という技法だそうです。
その名のとおり、静止現像の一種なんですが…この簡単具合が凄い!
- キンキンに冷やした水道水を用意
- 希釈した現像液を用意(↑過去記事ご覧ください!)
- 現像液にフィルムを浸す
- 冷蔵庫(低温の場所)に8時間以上置く
以上!
これは凄い。
僕が今までやっていた静止現像でも、
- (アバウトで良いとは言え)20度前後の水を用意
- (やんなくても多分平気とは言え)30秒〜1分前後の初期攪拌
- (これもやる人、やらん人いるようだけど)30分後に2次攪拌
という「手間」は存在するのです。これが…無い!!
とにかく、早速やってみましょう〜。

まず、水。
水筒に入れた水を冷蔵庫で冷やしておきやした。

夜、冷やしておいたお水で100倍希釈したAdonal現像液を作ります。
温度ちょっと見づらいですが、6.2度。
これも別に6度にしようと思ったわけではなく、単に冷蔵庫で冷えた結果こうなっただけです。

…終わったw
マジでこんだけ。タンクに蓋してそのまま冷蔵庫で一晩眠ってもらいます。
8時間以上が目安だそうですが、静止現像の特徴として、
「現像液が疲労しきるまで放っておく」
というのがあるので、別に8時間経ったらすぐに取り出さないとダメなんていうことはありません。10時間でも、24時間でも放っておいて、時間がある時に取り出せばいいのです。

…さーて、現像はもう終わったも同然なので、寝るまでゲームでもするかー。
お正月セールに買った「龍が如く8」がもう大変に面白くて素晴らしい。
フィルム1,000円ってだいぶお買い得だな! 桐生さん、僕にプレゼントしてくれw
終わったら外伝も買おうかな〜。
一晩経ちました
さて、一切時間のことも温度のことも気にせずに龍が如く8を進めて、眠くなったので寝て…翌日。まぁだいたい16時間ぐらいですかね?
「あ、そう言えば漬けてたんだったわ…」
と思い出して、冷蔵庫から取り出し。水洗と定着だけちゃっちゃとやって…

干して取り込んだのが、はいこちら。
…完璧です。何の文句もございませぬ。
ちなみに今回のカメラは、二眼レフのKONIFLEXⅡ。フィルムはいただきもののFUJI ACROSⅡという「Ⅱ」コンビです。
冷蔵庫現像した渋谷散策


ほんと、いつもの現像結果と何ら変わりはないですね。
強いて言うなら…ハイライトがちょっと柔らかい…気がする? かも? ぐらい?
でもこれはACROSだからかも。

トーンも大変よろしい。

白いメイド服のふわっとした感じとか、ひだひだの微妙な陰影とか…いいですね。
レースカーテンの模様もしっかり。

手前のストーブで合わせたつもりだったけど、後ろの椅子にピント行っちゃった。
まあいいけどw

松濤の高級住宅地で。
その球体は何だ? お金持ちの考えることはよくわからないw

規則的に並んだビルのベランダ。
こういうの好き。

かなり暗かったのでさすがにブレてしまった…。

だいぶ天気が怪しくなってきて、ISO100のACROSだと厳しくなってきた…。
あと2カット何とか!

露出計は「開放3.5の1/15秒で行け」と言ってたんですが、さすがに二眼レフで1/15は自信無かったので1/30秒で許してもらい…息を止めてえいや!
こういう賭けに出て「勝った!」ってなるのもフルマニュアルのフィルム写真ならではの楽しみだよねー。
…大丈夫、負けてもPhotoshop様が助けてくれるからw

同じく開放、1/30。こっちは…負けw
いかなPhotoshop様でも手ブレはなかなか大変(シャープとか駆使すればできないこともない)なので、やっぱり1/60秒はキープしたいなと思いつつ。
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以上、初の冷蔵庫現像(低温静止現像)の結果でした。
結果としてはご覧のとおり、非常に良好だったと言っていいかと思います!
いや、これは本当に楽だ。だって、漬けたら寝ていいんだもんw
ただ、時間はかかる。それをどう見るかですかね。
- 1度の現像作業でフィルムを何本も処理したい
- 週に何度も現像している
- 手をかけることで現像結果を思い通りにコントロールしたい
というようなフィルムヘビーユーザーの方には、正直向かないと思います。逆に僕みたいな、
- 1回の現像で処理するのはせいぜい1〜2本
- 頻度も月に1〜2回
- とりあえず綺麗に現像できていれば文句なし(後はPhotoshopなどで調整しよう)
で全然OKな、ライトなエンジョイ勢には大変お勧めです。
あれこれ手を付けたり時間や温度管理をしないということは、基本的には毎回現像結果が均一であるということでもありますゆえ。
特にこれから自家現像を始めてみたいとお考えの方には、過去記事で紹介した通常のやり方とこの冷蔵庫タイプ、どちらもとにかく簡単ですので、思い切って新しい扉を開けてみてもいいのではないでしょうか。
今回のお供
「NEOPAN ACROS 100Ⅱ」なのか「NEOPAN100 ACROSⅡ」なのか、どっちなんだw
箱の表記が正しいよな…やっぱり。




