バルナックライカかっこいいよね…。
と、改めて思ったので被写体になってもらって個人的イケてるポイントをただ愛でようじゃないかというしょうもない記事です。notレビュー。
①まず全体のフォルムがカッコいい。
はい、どっからどう撮ってもカッコいいですね。
もうなんつーか、カッコいいですね。最高。
②お窓のカーブがカワイイ。
このね、一箇所だけくるんと丸いお窓のフチね。
しゃれてますよね。カワイイ。
物によってはカクカクっと段付きになってるやつもあるらしいですね。それはそれできっとカワイイんでしょうね。最高。
③ふたつお目目がカワイイ。
ここはね、明らかに古い型のほうがカワイイですね。左の窓でピント合わせてから右でフレーミング。びっくりするぐらいめんどくさいですが、なんつーても僕はそこが最高にイケてると思いますね。
このお作法を繰り返すほどに、
「あー、今僕はバルナックで写真撮ってんねんで」
という、不思議な満足感に包まれるわけですね。最高。
④巻き上げノブがキモチイイ。
ここも非常にポイント高いですね。
一枚シャッターを切る。ここのノブをゆっくりくるくるとやる。きちんと整備された機体の場合、この巻き上げノブからのわずかな抵抗とともに、するりするりとフィルムが送られていく感触が指に伝わってきて、次のシャッターチャンスが待ち遠しくなるわけですね。
ただフィルムを送るだけでなく、次への期待感まで醸成してくれるこの感覚は、普通のフィルムカメラの巻き上げレバーとはひと味違うわけですね。最高。
⑤チョロはげがシブい。
古い機械ですからね、僕の手元に来るまでの間、わかっているだけで2人のオーナーを経由しているんですね。もっと多いかもしれんですね。
で、長い年月の間に何度も触れられ、時にはちょっとぶつかったりもしてメッキが剥がれ、下の地金がこんにちわしている部分がいくつかあるんですね。
そこに、この機械がこれまで歩んできた歴史というものを嗅ぎ取り、そして痺れるわけですね。
なんせ御歳86歳。僕みたいな若造とは踏んできた場数が違う。その渋みが剥げから滲むわけです。最高。
⑥軍艦部の造形がカッコいい。
恥ずかしながら、僕はこれまでなんでカメラの上面部分を「軍艦」つーのかわからなかったんですが、バルナックを手にしてようやく理解しましたね。
なるほど、軍艦。
無骨でありながらまろやかな曲線を描くこの造形美。シャッタースピードダイヤルを包む、船の舳先を彷彿とさせるラインは、まさしく軍艦(ふね)の美しさと同等であったわけですね。最高。
⑦三角環が便利。
すいません、カッコいいじゃないですね。形的にはカワイイ分類でしょうが、まあここは「便利」でしょうね。
どっかで読んだ話では、このDⅢからストラップを繋ぐための輪っかがついたそうですね。
無いほうが美しいと見る向きもあるようですが、やっぱり機能性も重視したいわけで、個人的には付いててくれて良かったですね。
ここにネックストラップではなくリストストラップを繋いでぷらぷらさせる。大事に大事に胸に抱えるのではなく、ちょっとラフに持ち歩いてこそ、この機械は輝くんじゃないかと僕は思いますね。最高。
⑧沈胴レンズがカッコいい。
縮めておいて…伸ばす。そして撮る。手間ですね。
でもこの沈胴レンズってやつは、もう「ロマン」でできてるので手間とかどうでもいいんですね。
僕が持ってるのは、エルマーとこのズミタールが純正なわけですが、どちらも沈胴。めんどくさい。でも、それがいい。
固定鏡胴のNIKKOR H.C 5cm/2も時々付けてみますが、やはり沈胴のロマンには一歩譲るという感想ですね。
どうにかしてコンパクトに持ち歩けるようにしたから、いつでも貴方のお側に仕えさせてやってくださいという当時の技術者の心遣いに素直に感謝しつつ、脳内にあふれ出すロマン汁とともにレンズを出し入れしつつ、被写体を探し歩くのが先人への礼儀かと思いますね。最高。
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えー……全然、以上ではないんですが、とりあえず以上です。
バルナックは本当にいい機械だと思います。
ほんと、ファンの方に怒られるのを覚悟して言うとM型よりはるかに好きです。
や、僕もお店で何度かM型は触ったことあるんですよ? フィルムもデジタルも。
でもなんか…僕にはデカすぎて持ちにくいという印象が妙に強く残ってて…。
そこへきてバルナック。このサイズ感。カメラもレンズも小さけりゃ小さいほうがいいという僕の信条にあまりにもマッチするので、ええ。
僕は、このバルナックDⅢを手に入れてから、M型への憧憬つーか、物欲がすーっと霧散して無くなりました。いやこれは、負け惜しみでもなんでもなく。本当に本当。
なので、「いつかはライカ」とお考えのそこの貴方、悪いことは言いませんのでまずバルナックから…いかがでしょう?
もしかしたら、僕のように持った瞬間に「あがり」が訪れて、写真に集中できるようになるかもしれませんよ?(笑
今回のお供…と言うか撮影
Z50とMC50の50・50コンビ。
DⅢの細かな傷(そこもいい!)まで写し撮ってくれました。これはこれで最高。