前回はこちら!
前回、レストア…なんていうとおこがましいにも程がありますが、とにかくなんとか最低限「写真が撮れる」ところまでもっていったRICOH 519 Deluxe。
早速、いつものFOMAPAN100を詰めて試写を行いました。
初出動!
とにかく早く結果が見たかったので、被写体選定は本当にもういつも以上に適当です。
ただ、シャッター速度とかも知りたかったんで、明るい・暗い・開けた・絞った…このあたりはある程度気を遣ってシーンは選びました。
では、とにかく結果をどうぞ!
写ります!
はい、俺の勝ち!!
明るい窓辺での屋内カット。
写ります。つーか、キレキレです。
干しているブーツのあったか中敷きだけど、ケバケバ感の解像具合とかマジで唸ります。
ピーカン屋外。
山、遠景。
電線も一本一本きっちり描写してくれています。
飛行機雲を二連発。
一番明るいタイミングの空ということで最速1/500を使いましたが、ムラもなくきっちり動いてくれているように思います。
山の遠景もうひとつ。
左側にうっすら湧いている雲の陰影も階調残してしっかりと。
この写りで66年前の物なのか…。
特売日〜。
逆光気味の屋外。
完全に逆光ではなく左斜め前からという感じですが、一番遠い雲も飛ばず、山の輪郭もしっかりと。いや、凄いなこれ。
蛍光灯下の屋内カット。
二階を模様替えして子供部屋を構築しているところ。
開放で1/25秒。F1.9ならノーフラッシュで家の中でも使える。
いわゆる「フェルメールライン」と呼ばれる窓辺の薄明かり条件。F1.9開放。
しっとり描くなぁ…。
日が落ちかけている夕方の散歩で。
F4ぐらいかと思う。
F2.8ぐらいのはず。陰に合わせて1/10か1/5秒…当然のようにブレましたw
息止めても1/25秒までですなw
薄雲に隠れている太陽を正面から。
手前も黒つぶれせず、やはり階調は豊かに拾うぞという印象。
すげーぞRIKENON。
なんでもない写真なんだけど、木肌や芝生、アスファルトの質感に仰け反った1枚。
F4の1/125くらいの記憶。
Kマウント用のXR RIKENONもそうだけど、F4〜F5.6あたりの切れ味がとんでもない。
前ボケチェーック。
自然な感じで良き。
日暮れ本当に一歩手前。白熱灯色LEDの下で。
開放、1/25秒。
やはり開けた時のしっとり感が大変良い。情緒的。
別の日。
午後二時〜三時前後の斜光で持ち出し。
ハイライトとシャドウの配分が一番美味しい頃合いだけど、きっちり美味しく写ってくれてたまらないですね。
逆光で。
ばーんと出てくる五角形のゴーストが印象的。
もちろん、ビンテージ物を愛する皆様にしてみれば「ご褒美」ですよね。
この条件でも雲の階調が残っている!
かなり真っ白な条件下で。
嫌な白け方じゃないですよね。潰れたペットボトルがあるだけなのに妙にドラマチック。
逆光+日陰の明暗差というけっこう意地悪な条件で。
これも地味だけどレンズの底力を感じるカットになった気が。自転車のメタル感とかかなり凄い。ハイライトの粘り方も。
白樺の木肌に、さらに西日の直射日光。
全然きっちり余裕で持ちこたえてくれます。
最後はまた開放の情緒が見たくてフェルメールラインで。
新しいベッドには早速娘ちゃんのお友達が色々住み着いていました。
使い心地など
総合的には凄くいいです。
似たようなコンセプトの機械ってことで、Topcon 35-Lと比較してみると…
- 全体の質感 Topcon 35-Lのが高級感はある。梨地処理されたレンズ周りとか。
- レンズ描写 甲乙付けがたい! どっちも素晴らしい写り。
- ファインダー 正直、Topcon 35-Lの圧勝。明るさと自動パララックス補正エグい。
- ピント合わせ レンズの左右にツマミがあるおかげでRICOH519のがやりやすい
- シャッターフィール 互角
- フィルムカウンター 自動リセットでRICOH519の勝ち。あと窓のデザインがいい!
- 巻き上げ これも滑らかさ、気持ちよさではTopcon 35-L。
こんな感じでしょうか。
ファインダーと巻き上げでTopcon 35-Lに軍配って感じだけど、巻き上げに関してはRICOH 519のほうは整備すればもっと良くなる気がする。
つーか、Topcon 35-Lの巻き上げ感は次元が違うレベル。個人的にはライカM3を余裕で上回っている異次元の気持ちよさなので…比べるのがかわいそうw
ただ、ギミックとして+実用度で言うと、右手でシャッターに手をかけたまま、左手でじゃっと巻き上げできるトリガー式は無駄がなく直感的。
あと、Topcon 35-Lはシャッターチャージを手動で行って多重露光できるように外にレバーが少し飛び出ているんだけど…これが普通に使う分にはちと邪魔。
自然にカメラ構えてシャッター切った時に中指あたりに落ちてきたレバーが当たって嫌だし、ちゃんとシャッター落ちきったか不安になるし…。
RICOH 519はその心配が無いのがいい。総じて「構え心地」「持ち心地」的なところだと、RICOH519のほうが上回っている…。
…つまり、本当に甲乙付けがたい。
後発の廉価版(S2とか500とか)はそれなりにあるけれど、519は市場でもほとんどタマを見ないし、歴史の中に地味〜に埋もれちゃってる感あるけれど……凄いカメラだよこれ。
プロの手によるオーバーホールに出してファインダーがクリアになってくれたり、巻き上げの滑らかさが戻ったらどうなるのか……2〜3万かける価値あるような気がするなぁ! 出そうかなー! ちょっと検討しますw
とにかく、そのぐらい良いカメラだというのがわかったので、使えるようになった経緯も含めてめちゃくちゃ愛着湧いてきています。
今回のお供
半分以上は長巻使ったかー。
…まだまだあるなw