RICOH519Deluxe
RICOHイメージングの公式サイトで確認するに、1950年代後半に色々な会社で造られたレンズ固定式(レンズシャッター式)レンジファインダーの一種ですね。
ただねぇ、この中に気になる記載が…。
レンズ リケノン45mm F1.9 4群6枚構成(富岡光学製)
…富岡!
富岡光学がどういう会社かは、今更こんなブログにまで足を運んでくださる方には説明不要だと思います。
が、この『富岡伝説』ってだいたいどのレンズを紐解いても、
「富岡製と考えていいだろう」
とか、
「富岡製であると思われる」
みたいな記述ばかりで、本当に富岡光学製かどうかはっきりとわからないこと多くないですか?
その点こいつは、RICOHイメージング公式がお墨付きを出しているホンモノの富岡!
……欲しい!w
買っちゃった(ジャンクを)
僕ちょっと「日陰者フェチ」「縁の下の力持ちマニア」と言いますか、
「華々しく成果を誇っていなくとも実はあるジャンルでは大変に信頼されていて、良い仕事をしている」
みたいなのに弱くてw
なんか…自分の仕事と重なる部分があるんですよね…(遠い目)。
これが噂の新機種、X100Ⅵかぁ。
— たけ 【S2A】 (@Take9_tw) 2024年3月10日
…500円と送料だったんだけど、いいのかな? pic.twitter.com/FJW85I0YlY
そんなわけで、良さげなジャンク扱いを見つけて…魔が差してしまいました…。
他にもカメラ自体のデザインもすごくいい!
新発売のX100Ⅵになぞらえていますけど、天面のフラットな感じとか、直線的なフォルムとか…X-E4なんかにも少し似ている気がして、なんともそそられます。ミニマル。
んー、519のレンズ、これ以上アクセスできねー。
— たけ 【S2A】 (@Take9_tw) 2024年3月10日
カビなのか拭き傷なのか判別できん… pic.twitter.com/YFAJJtwfZg
が、シャッターや巻き上げ(やや固い)、絞りなんかの基本動作はOKなものの肝心の富岡レンズに問題が…。
説明には「カビ」とあったので何とかレンズ外して除去できんもんかと頑張ってみたんですが(最初は僕もカビと思い込んでいる)…ふと前玉触ってみたところ、指先にひっかかりを感じるレベルでの傷だということが判明。
この傷だと、フレアが出ますとかコントラストが落ちますなんていうレベルではない気がする…あああ〜。
…そして2台目が来る
しかし、ここまで来て諦められない!
だってレンズがダメなだけで他の機能は生きているんだもの(多分)!
ならば……そう!
「レンズはある程度綺麗だけど、他の機能がダメになってるジャンク」
をもう一個入手して、レンズを移植してしまえばいいじゃないか!
とはいえけっこうマニアックなカメラみたいだからなぁ…そんな簡単に出てきたりしな……
…れ、レンズだけ今ある個体の傷だらけのやつと交換できないかなって思って。
— たけ 【S2A】 (@Take9_tw) 2024年3月27日
…何やってんだ僕はw pic.twitter.com/RYbytgn2BT
出てきたーっ!!
なんという巡り合わせ。これはもう神が、
「お前は富岡レンズと共に生きるべきなのです…」
と仰っているに違いない!
もう一台、X100Ⅵが来ました……嘘です!
— たけ 【S2A】 (@Take9_tw) 2024年3月29日
…これより、レンズ移植手術を開始する。
……カニ目。 pic.twitter.com/z5rWknEoBt
即購入w
そして、我が家には見事に2台のRICOH519が並び…そして…
回ったあ!
— たけ 【S2A】 (@Take9_tw) 2024年3月29日
移植手術完了! https://t.co/nDokbsltuJ pic.twitter.com/AOC8SjvW11
ガチガチに固着した銘板〜レンズ前玉と格闘すること一時間。
無事に移植手術が完了し、ある意味この世で1台だけのカメラが誕生しました。
500円のゴミ(扱い)と400円のゴミ(扱い)が出会って、互いの足りない部分を補い合って、再生する…なんてエコロジカルでエシカルでサステナブルなSDGs(並べて言っただけ感)!
では改めて見てみよう
やはりソリッドでフラットでシンプルでミニマル(並べて言っただけ感)。
美しいデザインです。
RICOH35から受け継がれる「トリガーレバー」も素晴らしいですね。
これ、最初は単なる男児マインドをくすぐるだけの面白ギミックかと思ってたんですが、実際に使ってみると…いいですね。
ファインダーをのぞいたまま構図を動かさずにフィルムが巻き上げられる。
左手で巻き上げる形になるので、右手はずっとシャッターにかけたままにできる。
よく考えられている仕組みです。
ライカピストルとかCanonVTみたいな機構だと嵩張るし、価格も高くなっちゃうけど、これならコストを抑えて似たような撮影体験に持ち込める…いかにも日本らしい発想だなぁw
ファインダー…なんと等倍です。
素晴らしい明るさ! クリアな視界! …とは言えないけれど、とにかく等倍です。
そのままの風景が広がります。地味にポイント高いのでは?
…なんかカバーのネジが一個無いけど、問題はなさそうです今のところ。
あとは……並べてみたくなるよねぇ、どうしたって。
どちらも美しい…。
やっぱり、なんか1950年代の国産カメラのデザインが一番心惹かれるなぁ。
ブロニカもそうだし。
厚みはわずかにRICOH519のほうが薄く、横幅はこれもわずかにRICOH519のほうがあるかな…。でもほぼ同じサイズ感。
シャッター周りはどちらも同じ、SEIKOSHA-MXL。
画角は1mmだけ狭く、開放F値は0.1だけ明るい。
…誤差っつーかなんつーかw この1mmだったり0.1だったりに技術者のこだわりが色々あるんでしょうな…きっと…。
そして、肝心要の写りと使い心地は……
次回を待て!!(思ったより長くなって疲れちゃった…)
2024/04/04追記:続き書きました
今回のお供
ブツ撮りはいつものメンバーでお送りしました。
…もうちょっとちゃんと撮りたいw