これは出会いか再会か。
ちょっとした実家の事情で、僕が結婚して家を出て以来置きっぱなしにしていた私物を引き取らないといけなくなり、三連休を使って弾丸帰省したところ、
用事あって実家の倉庫整理してたら……おじいちゃん! おじいちゃーん! これ全部もらうよー? いいよねー?(故人です) pic.twitter.com/xQIblrV7uI
— たけ (@Take9_tw) 2021年1月10日
倉庫の中から祖父が遺していった古いレンズたちを発見したのでした。
セミプロ写真家だった祖父
祖父は戦後に復員して、某大手家電メーカーでサラリーマンとして働く傍ら、写真家としても活動しておりました。
フォトコンなどでは何度も入賞し、たまに勤め先の広報写真を撮ったり、こっそり副業で撮影の仕事を受けたこともあったようです。
写真の他にも、クラシックのレコード収集とオーディオをたしなみ、ハンドドリップのコーヒーを愛する、なかなか粋な爺さんでありました。
祖父は今で言うところのペンタキシアンでして、
「カメラはアサヒ(旭光学=今のRICOHイメージングの前身)が一番いい」
と常々言っていたのを覚えています。
なので、出てきたレンズが、みんな古いPENTAXだったのは当然なんですが……
謎の一本
戦利品報告スレ
— たけ (@Take9_tw) 2021年1月10日
目玉 Nikkor-S Auto 1.4/50
後ろ玉にカビあるけど絞りもピントリングも絶好調。持ってて良かった非Ai対応のDf! pic.twitter.com/3QCfQWBTv8
ん? なんか…一個だけ違うのがあるぞ?
これは…NIKKOR-S Auto 1.4/50!
じいさんは生粋のPENTAXつかいだったはずだが、なぜニコンがあるのかは謎。
— たけ (@Take9_tw) 2021年1月10日
いや、ほんとにね。
なぜかこの一本だけ、Nikon。
まったく経緯がわからないんですが、ある物はある。祖父の名前を書いたテープが貼ってあった革ケースに入っていたので、まず間違いなく祖父の物のようです。
手に取ってみると、後ろ玉の表面にカビがあるものの(帰宅後にアルコールで拭いたらきれいに取れました)、ヘリコイドのトルクはスムーズだし、絞り操作も良好。
傷もクモリも無い。
Ai Nikkor の50、85ともにピントリングがスカスカになってきたんじゃけど、どうしたらいいんだこれは。
— たけ (@Take9_tw) 2021年1月7日
買った時はまあ平気だったんだが。
Dfと一緒に買ったAi Nikkor 1.4/50の調子がイマイチで、数日前に↑こんなツイートをしていたこともあり……何やら運命的なものを感じ、早速Dfに装着して撮り歩いてみました。
すごいわ、じいちゃんのレンズ
非Aiのレンズだと、カメラ側とレンズ側で2回絞りを操作しないとダメだったりで少々面倒くさいんですが…
試し撮り最初の1枚で出てきた画に痺れてしまいました。
K30&HD 20-40limitedのぬらっとした塗装と質感! これ、実はすごいレンズなんじゃないの?
試写2枚目。
もうお外に持ち出すしかない!
あいにく、どん曇りの天気だったんですが、
開放F1.4を外で試せるチャンスと思って、今回はほとんど開放で撮りました。
ここらで絞った感じも見たい。
5.6まで絞ってみました。
これだけなら、
「おお、なかなかスッキリ!」
で終わりなんですが、
開放F1.4と比較。
……これもう、違うレンズだ。
F4~5.6ぐらいだと、シャープさが増しつつもしっとり。
F8無限遠を試したあとで……
はい、開放。
このにじみと周辺光量落ち…最高。
そして開放祭りへ…
今回はホワイトバランスの調整のみで、他はいじっていません。
これなんか、まるで古いライカレンズで撮ったかのよう。(言い過ぎ)
大事にするわ、じいちゃん。
それしか言うことないですよね。
祖父からの思いがけない贈り物でした。
他にも引き取ったsmcTakumarたちも点検終わり次第使っていこうと思います。