出戻りキシアンの言い訳
僕が初めて購入したデジタルカメラは、PENTAX K30でした。
向井理のCMがかっこよかった…。
「僕を走らせる一眼」
キャッチコピーも覚えてるよ。
まだマップカメラもフジヤカメラも知らなかった、無垢なあの頃。ヨドバシカメラと言えば、ゲームを買うお店という認識だったあの頃。
そして……新婚ほやほやだったあの頃(遠い目)。
で、そのK30はどうなったのかと言うと、2018年に後継機のK70に交代して友人の元へ。
K70のほうも、FUJIFILMに移行する際にSIGMAの17-70やDA 50/1.8と一緒に下取りに…。
更にその2年後、友人のところに嫁いでいたK30が一度戻ってきたんだけど、いわゆる「黒死病」を発症してしまいお亡くなりに…。
Nikonを使い始めていたこともあって、「もうKは買わんだろうなぁ……」と、出戻りを機に買っていたHD DA 20-40Limitedと共にオークションで処分してしまったのでした。
ただ…その後もどうも物寂しい。
時々、無性にPENTAXがまた使いたくなる時がある。なんかこう、変な吸引力があるんですよね、PENTAXのカメラって。
そんな折、3万台〜の中古相場よりだいぶ安い価格で発見してしまったのが…このK-S2。
しかも、一番男子のオモチャ的に心くすぐるBlack×Orangeときたもんだ。
さらに良くないことに手元には、AF-S NIKKOR 58/1.4Gを買うために大断捨離した際の残金が…。
気付けば、無事にお迎えです。
大断捨離とは……何だった……の…か…。
本体を買えばレンズだって欲しくなる。
しかし、同じ20−40Limを買うのも芸が無い…どうせならもっと軽快に使えるように…単焦点…などと考えていると、また見つけてしまう出物。
…知らなければ良かった。フジヤカメラなんてお店、知らなければ良かった!
- 本体 20,000円(底面スレと塗装ハゲだけでこの価格!)
- HD DA 21mm f/3.2 Limited 22,000円(全然美品!)
- smc DA 40mm f/2.8 XS 8,000円(MF中華レンズ以下!)
以上、総額5万円ジャストでレンズ2本持ちもまったく苦にならないお気軽スナップシステムの完成です!
……馬鹿かな? 俺は。
けど、やっぱりPENTAXは面白い…。
smc Takumar 35/2
DAレンズが届く前に本体だけ来てしまったので、残しておいたK-M42変換リングでsmc Takumar 35/2を装着。これもまた純正レンズ!
K-S2と言えば、まだ現行のK70よりひとつ前のエントリー機。
でも、これもCDを捨てずにおいた付属のRAW現像ソフト「Digital Camera Utility」をインストール後に最新版へアップデートすれば……最新のカスタムイメージ「里び(SATOBI)」を当てて現像できる! 素晴らしい!
そういうところはFUJIFILMも見習って、いい加減クラシックネガを旧機種にも…(未練)。
しかし、やっぱりPENTAXと言えば……「銀残し」だよねぇ。
この唯一無二と言って良い画作り。ただのブリーチバイパスともちょっと違うんだよなぁ。
寒いわ暗いわMFだわでブレまくってるけど、気にしない。
つーか、こんな高感度強かったっけね。全然見られる。
HD DA 21/3.2 Limited
大雪の翌朝にDAレンズ2本も到着したので、早速交換。
まずはHD DA 21/3.2 Lim。
使ってみてすぐわかった。あ、これいいレンズだ。
換算32mm、すごく気持ちいい。
雪で光が反射しまくってる中でも、しっかり押さえ込むHDコーティングも信頼できる。
カスタムイメージは「リバーサルフィルム」をメインで撮ってみた。
これもPENTAXならではの設定だよねー。シャープネスしかユーザーにいじらせないとか、
「これがうちのリバーサルなんだよ! これが一番いいんだよ!」
という、ゴリ押……メーカーの気概が凄い。
逆光の夕景とつららは、「里び」。
ぶっちゃけ、「FUJIFILMのクラシッククロームと同じじゃん?」とか思ってたけど、当然ながらやっぱり違う。これも好きだな。ごめんね「里び」。
smc DA 40/2.8 XS
なんだろうな、このレンズ。
なんでこんな薄くて小さいのにこんな写るんだろうな。
大口径にする意味って……何?
ほぼ、本体(バッテリー込み)の重量だけで、この画質の標準画角持ち歩けるとかおかしいでしょ。APS-Cとは言え、fp×45/2.8 DG DNより軽い…。
Z50×16−50のほうが軽い? いやでも、OVFだよ? 光学ファインダー。悪いけど、比較にならんよ。おじさんだもの。
こういうとき、この歳で両目とも2.0をキープしてる自分の視力に感謝したくなるよね。
換算60mmはちょっと長い? ……ちょっと前までなら、僕もそう思っただろうさ。
けど、AF-S 58/1.4Gを使いこなす(言い切る)今の僕にとっては、これも使いやすい画角に進化しているわけで。
換算32mmの21/3.2limは、換算28mm固定のX70に慣れたことで苦手意識は克服され、換算60mmのコレも恐るるに足らず。
K30を買わなければ、K70も買わなかった。K70を下取りしなければ、X-T30は買えなかった。X-T30を買ったからこそ、X70というコンデジの「正解」を知れた。X70に広角をすべて任せられるから、AF-S 58/1.4Gを思い切れた。58/1.4Gがあったから、換算60mmも苦にならない。
……すべては……繋がっているんだね……(壮大な言い訳)。
1枚だけ、「雅(MIYABI)」でも撮ってた。
紅葉シーズンとかに輝くんだよね、このカスタムイメージは。
K-S2(と言うか、Kシリーズ全般?)のデメリット
K30、K70と使ってきた時にも思ってたけど……びっくりするほど白飛びに弱い。
輝度差がある場面だと、とにかくシャドウを持ち上げるのにエンジンが全力を傾けちゃって、まぁ飛ぶ飛ぶ。真っ白。
特にオールドレンズ使ってる時なんかは顕著。
こればっかりはどうにかしてほしいが…今更どうにもならんので、慣れるしかない。
ハイライト補正もシャドウ補正もAUTOで固定しておいて、あとはとにかくアンダー目に撮るのを心がけることで回避。
MかAv撮影なら、-1.3〜-2EVくらいがデフォでもいいんじゃないかな…とか。
あとは、DCU5やカメラ内現像で「キー」の項目をMAXに上げると、全体的にちょうど良くなるような気がする。
いやー、あばたもえくぼと思うしかないねー。不器用なやつめ。
と言うわけで、本日のお供
K30→K70→K-S2って…我ながら妙と言うか、アホな変遷だなぁ。
でも、K3 MarkⅢには無い「ほどほど」さがいいんだよなぁ。
壊れたら…もう一回K70? いやー、その時にはK3Ⅲのあれこれをフィードバックしたエントリー後継機が出ててほしいなぁ。
薄い! 軽い! すごくいい!
21mmでF3.2とかいう中途半端さが実にPENTAXらしい!
もっと薄い! もっと軽い! でも、その辺のボディキャップレンズとは一線を画した、とっても「ちゃんとしてる」レンズ。
その上、なんかもう嘘みたいに新品でも安い!
AFがギュインギュインうるさいのは、ご愛敬。
おまけ
すごくかっこ良かった向井理のCM。
今、カメラのCMなんかテレビでやらないよねぇ。タバコみたいに自主規制で消えるようなもんでもないだろうに…。ほんの10年くらい前のことなんだけど、時代かねぇ。