1から考えるプリセット
これまで、
「FUJIFILMのクラシックネガが羨ましい!」
とか、
「Superia X-TRA400が高すぎるので再現した!」
とか、要は何かに寄せたり真似たりというプリセットを作ってきたけど、ここらでひとつ、
「別に何にも似せてない、寄せてないけど…自分が気持ちよく感じるプリセット」
というのを作ってみてもいいかなと思って、数日頑張ってみた結果を共有したい…という話。
今回のマイルール
- カメラメーカーを問わずに使えること
- 各カメラメーカーの色作りを尊重するため、極力トーンカーブのみで完結し、HSLに手を付けないこと。
- 色々なシーンで使えること
- もちろん、無料で公開して誰でも自由に利用できること
特に2番目。トーンカーブだけで望んだ色が出せるか? というのは、個人的なこだわりとしてけっこう重要視していたり。
これまで曲がりなりにも勉強してきた集大成として、RGBごとのトーンカーブをちゃんと理解して使いこなせるかどうか…という自分への試験的な意味合いもあったり。
たくさんご協力いただきました
「カメラメーカーを問わずに使えること」を達成するため、僕が所持していないメーカーのカメラで撮影したRAW画像を提供してもらえないかTwitterでお願いしたところ、ありがたくも何人かのフォロワーさんに大事なデータを預けていただけました。
最初に、この場を借りてお礼申し上げます。個々人のご紹介は、次の作例紹介にて。
作例
では、そろそろ実際にプリセットを適用した作例をば。
…おっと、大事なことを忘れてた。今回のプリセット名、自分にしてはちゃんと意味と思いを込めまして『柔光(じゅうこう)』と名付けました。
Basic_Nega_Zとか付けていた過去の僕には眠ってもらった。
FUJIFILM X-T1
名機X-T1のRAWを提供していただいたのは、
前橋の水田パトローラーにして、ゼンザブロニカ使い。
写真家の幡野広志さんもその実力を認める家族グラフィーの名人、ハシモトさんです。
まずこの美しい桜の写真。これが、
こんな感じに。
何がどうしてこうなって…という話はまぁ一旦脇に置いてもらって、まずは見たまま良し悪しをご判断いただければ。
どんどん行きましょう。
Nikon D850
続いては、Nikonが誇る最新の…そして恐らく最後の高画素一眼レフNikon D850。
こちらのRAWを提供してくださったのは、
大迫力のSLと美しい自然風景のお写真でいつも楽しませていただいている御香香さん。
SL、かっこいい!
なんて呼ぶのか知らないんですけど、機関士さん? と、ホームで入線を待つ男性の存在が写真をドラマチックにしてくれていると思います。
こちらが、
こんな感じに。
SONY α7Ⅱ
続いては、今や押しも押されもしないミラーレスシェアNo.1のSONY、α7Ⅱ。
こちら提供してくださったのは、
何気ない日常を美しく切り取るスナップの名手、Kanさん。
裏路地に並ぶ二台の自転車。鮮やかなブルーが目を引くこちらの写真が、
こうなる。
Hasselblad X1D Ⅱ
……すげえの来ちゃったよ。いやもう、なんつーか凄いよねHasselblad。色んな意味で。
こちらご提供いただいたのは、国産二眼レフ写真展でもご一緒した仲で、デジタルから大判フィルムまで何でもござれの真の「沼人」、
うたさん。
…普通の写真だ?
あのね…ブログ用に3MBくらいに縮小しちゃった写真なんかじゃHasselbladの凄さは微塵も伝わらんのよ! 凄かったんだよRAW。いやほんと、ハッセルで写真撮ってる人って、日々作例をネットに上げながら「こんなもんじゃねえ!」って悶々としてんだろうな…。それはそれで大変だなw
とにかく、等倍で見るとビルの中まで解像してるこちらの写真が、こんな感じ。
OLYMPUS E-M1X
更にマイクロフォーサーズ勢。その中でもフラッグシップの中のフラッグシップとして君臨するE-M1X。
ご提供いただいたのは、
僕と同じ信州を活動拠点にしながら、撮られるお写真は僕ごときとは雲泥の差のクオリティ。長野県観光協会は今すぐ仕事を発注したほうがいいと思う、葉月希緑さん。
信州が誇る古き宿場町の静謐な雰囲気をぴたりと写し留めたこのお写真が、
こんな感じ。
Panasonic
マイクロフォーサーズならPanasonicも忘れちゃいけません。
RAW提供はSONYに引き続いてKanさんより。
PENTAX
最後はPENTAX。これは手前味噌ながら自分の作例で。
…ただ、K-S2はLightroomにRAW読み込んでもカスタムイメージがプロファイルに反映されないのでAdobe標準になってます。なのでご参考までに。
こちらもビフォーアフター。
劇的には変わらない
目指したのはプリセット名にもあるように、光を少し柔らかくして優しくする効果です。
だから、よくファンボックスだの有料noteだのオンラインサロンメンバー限定だので、けっこういいお値段で売ってるような、
『アナタの写真が劇的に変わる魔法のプリセット!』
みたいなもんじゃないです。
その代わり、マイルールに課したとおり、HSLの項目(色相・彩度・輝度)については一切手を付けていないので、あなたがお持ちのカメラが持ってるそれぞれの個性…つまり、Nikonだったら「標準」とか「ビビッド」だとか、フジなら「Provia」とか「ProNeg.std」だとかで表現される味付けは大事にしつつ、ちょっといい雰囲気にしてくれる…そういうプリセットです。
ベタな言い方をすると、飽きの来ないご飯のお供的な、そんな方向性。
共感してくださる方いらしたら、ぜひ使ってみてください。
ダウンロード
(※2022/11/14 セッティングを若干修正、ファイル置き場を変更)
ダウンロードはこちらからどうぞ。
無料です。改変自由です。
そして次回予告…
↑とかなんとか、かっこつけた感じになってますが、僕の中の俗人が、
「なーにが、HSLはいじらず、カメラの個性を大事にしたご飯のお供的な…だよ。意識高い系気取ったって目立たなきゃ意味ねーんだよ! そんなんでこのSNS時代生き残ってくつもりかよ、ばーかばーか!」
と訴えてくるので……
……実は、ばりばりにHSLもいじってある、
『あなたの写真が劇的に変化する! 魔法のプリセット!』
系も作ってあったりしてー!
こちらも近日公開w