前回はこちら
LomographyのMETOROPOLISで桜を撮ると面白いと聞いて撮ってみたら、確かに面白かった…のだけど、
「どうもフィルムの発色が、Lomographyの意図したものになってないのではないか?」
と思えて戸惑ったよ。それはそれで良い感じではあるのだけども…というお話が前回。
で、
「もしかしたら、カメラやレンズの素性によって変わるのでは?」
と考え、Super Ikontaに引き続きBRONICA S2で撮ったものをスキャンしてみた。
BRONICA × METOROPOLIS
上野
撮影は、3月の出張時。
実はこの日、午前中でこの1本を撮りきって田端にあるイストテクニカルサービスさんでオーバーホールをしてもらうべく預けたのでした。
なので、オーバーホール前のひと仕事といった趣き。
同日の撮影記録はこちら。
…なにげにカメラ3つも持ってて(ブロニカは午前中でバイバイしたとは言え)大変だったのです(笑
さて、本題であるLOMOCHROME METOROPOLISの発色について。
…やっぱり、ブロニカ × NIKKORの組み合わせでも公式より緑かぶりやマゼンダかぶりを起こさない、控えめだけど爽やか系な色のり。
確かにCHROMEと銘打つだけあって、FUJIFILMのClassic Chromeにも通じるような発色に見える。要するに好き。
中央の街灯? にピント合わせたつもりだったけど…ぼけた。
谷中
ポンポンポンと3枚。
この3枚…特に最後のお煎餅屋さんの店頭を収めたやつは、だいぶ公式の作例に近いような雰囲気が出た。
緑かぶりしつつ、白がバーンと飛んで黒がズドンと落ちる。
光線状態や被写体のチョイスで発色が変わるんだろうか。
あえて明暗差の激しいところを狙ってみた1枚。
飛び方、落ち方はだいぶそれっぽい(というのもどうなのかと思いつつ…)ものの、やっぱり特徴的な色かぶりは、さほど起きていないように見える…。
もう1枚、裏路地。
結果は同様。
田端
田端駅に近づいてきた。
公式作例や以前にカメスズさんにデータ化してもらったKONIFLEXⅡの写真では、こういう青空など明るい部分は、かなり強烈なマゼンダかぶりを起こしていたけど、それも無い。
全体的にアンバー方向にかぶっているような感じはしつつ。
田端駅前。
この写真、ちょっと覚えておいてくださいな。後でまた出てきます。
同じく田端駅前。
これがこのロールでのラストショット。
この遊歩道をまーっすぐ進んで階段を降り、右に曲がると…イストテクニカルさんのオフィスがあるのです。
預けたのが3月の終わりで、1ヶ月程度のお預かりという話だったんだけど……
2か月ぶりの再会。
— たけ (@Take9_tw) 2023年5月29日
戻ってきた、戻ってきた!
すげーファインダーきれい! 別物や。
やだー、カバン重い〜。大変〜。(ニヤニヤ pic.twitter.com/gWhoTbAXdG
ちょっと延びて、つい昨日! 無事にオーバーホール終えて戻ってきました。
ぱちぱちぱち〜。
綺麗になったファインダーの、本当に被写体が分離して浮き上がって3D画像に見えるほどの素晴らしさをどうにかみんなに伝えたいんだけど、どうにもならない…。本当に自分で見てもらうしかないんだ…。 https://t.co/QfwxVp2CUJ pic.twitter.com/hwVZgmSXIs
— たけ (@Take9_tw) 2023年5月30日
ばーっちり点検清掃ならびに不調箇所を修理してもらったブロニカ。
今後とも末永くよろしくお願いしたい所存。
それにしても、これまで何本か撮ってきてチャージ不良やシャッター速度不調なんてまったく感じたことなかったんだけど…不調あったんだねぇと驚いた。
今のところ使えてたってだけで、そのうち突然…なんてことになっていたかもしれない。
やっぱり、しっかりしたところで点検整備してもらうのは大事だな〜。
改めてMETOROPOLIS考
結局、METOROPOLISを公式っぽい発色でスキャンするというのは自分でよくできなかった。
もしかしたら、METOROPOLISの現像を引き受けてくれるようなお店(カメスズさんやチャンプカメラさんなど)には、Lomographyのほうから、
「こういう現像にしてくださいね」
という補正のレシピみたいなものが渡っているのかもしれない。
ネットで同様に事例が無いか検索してみたところ、一件だけあった。
「某郵送現像をしてくれるお店でMETOROPOLISの現像をお願いしたら、すべて赤っぽい、公式とは違う発色になって帰ってきた…」
というもの。
ややデリケートなお話なので、お店の名前や情報の投稿主様の紹介は差し控えたく。すまぬ。
やっぱり自分でやると↓みたいにならないんだよなぁ。
— たけ (@Take9_tw) 2023年5月29日
これは比較的それっぽい仕上がりになった例。 https://t.co/Fi1hZaAbC4 pic.twitter.com/jDT3wyd7Xn
翻って、先ほどの写真。
こちらなんだけど、フォロワーさんから、
「公式作例はどんな案配で現像しているように見えるか?」
ということについての私見を頂戴したので、そちらを参考にPhotoshopでいじってみた。
こうか!?
— たけ (@Take9_tw) 2023年5月30日
…いやもうこれ、「加工」の域ですがw pic.twitter.com/0hjtzofxot
それがこれ。
確かに、公式っぽい発色にはなった。
…なったけど、これはPhotoshopで思いっきり色相からガンマ(レベル補正)からをいじったからだ。
更に言えば、引用RT元の写真でも見られるハイライト部分のマゼンダは再現できていない。
と言うかPhotoshopででここまでやるなら、多分Kodakのフィルムでも富士フイルムの物でも同じような方向に寄せられる。
ツイートもしているように、もはや現像と言うよりは画像加工…。
なので結局、
「METOROPOLISの発色の正体」
とでも言うべき何かは、いまだ掴めていないというのが本当のところ。
僕としてはもうMETOROPOLISで撮る時には公式作例に寄せる方向は考えずに、スキャンして出てきた(ざっくりした言い方をしていますよ)色味そのものを楽しむ形でもいいかな…とは思っているけれど、若干スッキリとしない心境であるのも確か(笑
引き続き、時間があったら調べてみようかな。
…でも面倒なので、「答え」を知っている方いたらぜひご連絡ください!
本日のお供
というわけで、2回続けてのMETOROPOLIS考察回でした。
かように謎は残るミステリアスなフィルムですが、非常に面白い写真が撮れるのも確かなので、気になった方はぜひLomography公式から。
135もあるよ。